イグアスの滝と旅の宿


イグアスには3つの顔がある。アルゼンチン国境にある世界最大のイグアスの滝、パラグアイ国境にある世界最大出力を誇る水力発電所イタイプ−ダム(Itaipu)、そして3つの国の交わる国境の街だ。滝もダムも凄い迫力で、観光名所にあまり興味の無い僕にも見る価値のある場所だった。説明は旅行ガイドブックに譲るが、ガイドブックに載っていないことで驚いたことと言えばブラジルでもアルゼンチンでも入場料入園料に何倍もする外人料金が設定されていることだ。料金は2000円弱くらいだっただろうか、高くは無いが安くも無い。そんな事より差をつける事自体が外国人観光客に不信感を与えていると思った。所得格差を考慮したものと想像するが、そもそもこんな所に観光に来るブラジル人やアルゼンチン人はそれなりの余裕のある人達だ。まあ、その昔中国を旅行した時に経験した40倍の料金差の衝撃に比べれば可愛いものかもしれないが。>

この街の最大の魅力は世界中から人が集まってくることだ。街中や宿泊先での彼らとのコミュニケーションは旅の楽しみの一つだからどんな所に泊るかは重要だ。ブラジルにはホテルをグレードダウンしたようなポサーダ(Posada)やペンション(Pension)と呼ばれる個室の付いた安宿があり場所や設備にもよるが大体25レアル(1600円)くらいで探すことが出来るから僕のようなバイクの長旅には有難い。豪華さを求めるなら何百レアルもするような高級ホテルもあるから、どんなスタイルの旅も可能だろう。
 ここイグアスには世界中からバックパッカーの集まるユースホステルというドミトリー形式の宿があったので、そこの庭にテントを張り1泊12レアル(800円)で2泊した。安くても旅の夜を見知らぬ人と楽しむつもりならば高級ホテルよりも良い環境だろう。ドイツ人夫妻やブラジル人とスイス人のカップルなどいろんな人と長い夜を語らって楽しんだ。街ではブラジル人2人組のハーレーに乗った旅人と意気投合しアルゼンチン側のイグアスの滝までツーリングしたり、とだんだん旅が面白くなってきた。

その後、旅先でドイツ人夫妻やハーレーのブラジル人とメールを交わしている。夫妻はバスでアルゼンチンを廻り、旅の最後にインターネットカフェで撮り貯めた写真の詰まった大容量ハードディスクを盗まれてしまった。僕の旅の写真を送って欲しいという旦那のメールに僕は帰国後に写真をCDに焼いて送ってあげた。ショックで塞ぎこんでいるという奥さんを思っての旦那の配慮だったのだろう。ハーレーの彼は公務員なのだが、サイドビジネスでハーレーのアクセサリーを開発販売したり、今回のバイク旅行の経験をもとにバイクツーリングビジネスも始めようとしている。彼の旅のブログには僕との出会いが綴られている。観光客の交錯するイグアスはそれぞれの旅や人生の交錯する空間でもある。

カルロスのブログと写真 http://carlaosportstertrips.blogspot.com/
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