ブラジルの免許と交通事情


ブラジルの幹線道路は僕の知る限り概ね舗装状態も良く快適だ。有料道路もあるけれどオートバイは料金所の端に通路が設けられ無料で通れる場合が多い。(有料の所もある)大都市近郊以外では直線道路だし道も空いているからついついスピードが出てしまうが、レーダー探知機が設置されているところもあるから大きなポールを見たら要注意だ。誤って見逃してしまうと後方から写真をとられて後日警察から車両の所有者あてに現場写真付きの罰金の督促状が送られてくる。最高速度は100kmから120kmくらい。今回の僕のバイクは頑張っても120kmちょっとしか出ないから殆ど心配なくアクセル全開で走れた。

ブラジルの免許の場合は日本と同様に減点制度があり免許停止の可能性があるが、国際免許の場合は減点のしようがないし、そもそも正確にはブラジルはジュネーブ条約に批准していないから国際免許は何の効力も持たない。でもレンタカーは国際免許で借りられる。要は何でもありの国だ。襟を正すならばブラジルで免許を取得するか、或いは国際免許と所定のお金(確か1万円くらいだったかな)を警察(Policia Federal)へ持って行き1週間くらい待つと、数ヶ月間有効と書いた文章とサインを免許証に記入してくれる、という手続きをする必要があるが旅行ならそんな必要もないだろう。

話は逸れるが、何故ブラジルのスピード違反関係に詳しいかというと出張で来ていたときに罰金を払ったことがあるから…。あのレーダーは日本から輸入したものらしいが、自動車など外国製工業製品に100%関税をかける保護貿易政策の国のくせにレーダーは積極的に輸入するとはけしからん…。まあ、ただの愚痴なのだが。

今回僕の免許はブラジル警察のサインもあったけれどサインの有効期限も免許本体の期限も2007年12月終わりで失効してしまうもの。だから正式にはアルゼンチンから先やブラジルに戻ってきた時には無効になっているけれど、有効期間は表紙に日本語と英語で小さく書かれているだけだし、ここはラテンアメリカ。その後警察の検問や色んな国の国境で免許証を見せてきたけれど全く問題なかった。もちろんブラジル警察の有効年月日が書かれたポルトガル語のページを後で破いて捨ててしまった事は内緒だ。僕も4ヶ月の滞在でブラジル人よりブラジル人らしい人間になってしまったようだ。

 バウルーを出てからイグアスの滝まで快適な幹線道路で丁度1000km。途中田舎道に迷い込んでしまったりガソリンコックをオンに戻し忘れて何も無いところでガス欠で止まるハプニングもあったけれど、赤土の田舎道や村々もまた美しく快適だったし、ガス欠の時はたまたま近くに止まった車からガソリンを売ってもらえた幸運にも恵まれた。走るのが楽しくて仕方なく、昼飯を食べるのも忘れて走り続け、翌々日の昼には無事世界最大の滝で有名な街イグアスにたどり着いた。