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BardasBlancasに戻り1日20台くらいしか通らないというマイナーな国境Planchonを目指す。何故このルートを選んだかと言えばダート路だし国境手前にAzufre温泉があるからだ。この国境への226号線は美しい谷に沿って進む誰もいない夢のような道。砂利、ハンドルが取られるフカフカの砂地、草原、川渡り、断崖。温泉まで100km以上、アクセル全開でぶっ飛ばす。昔メキシコのBAJAのレースに参戦したときの感覚が蘇る。
温泉はキャンプ場として個人に管理されていて車の客5,6台いるし料金もアルゼンチンのキャンプ場としては30ペソと非常に高く少し残念。しかし目の前には氷河が迫り、そこに15もの湯船がある。チリ人家族が僕のテントを張った場所に来て何やら喋りかけてくるが分からない。すると別のアルゼンチンの家族も来て英語で通訳してくれた。“ここは寒いから風が当たらない私たちの車の方に来てテントを張ったらどうか?”と言う親切な助言だった。アルゼンチンの家族も“何か困ったらいつでも言ってね。”と親切にしてくれる。こんな所に現れる“外人”はかなり珍しいのだろう。標高は2400m、夜はかなり冷え込んだ。
アルゼンチンを出国して暫くは何十kmも谷を下って行くとようやくチリの入管が現れる。ここは平日は1日20台くらいしか通らない国境ルートだ。アルゼンチンの入管は握手を求めてくる愛想の良さだったが、こんな小さな国境でもお国柄なのかチリの方は事務的で無愛想だった。その先には銅鉱山があり、激しく往来するダンプカーとアスファルトに夢から引き戻されてしまった。